遥かクナシリに白夜は明ける
2016/04/13
昨日は快晴の釧路を出発、一路知床半島の東側の先端のまち羅臼(ラウス)に行ってきました。到着する1時間ほど前に先方から電話がかかってきて猛吹雪ですから危なそうだったら引き返して下さいの連絡。「え、こんなに晴れているのに?」
羅臼に近づくと、先方の言葉通り急に道路もアイスバーンで猛烈な吹雪、前が全く見えないホワイトアウトってやつです。もう止まるくらいの速度でドキドキしながらやっと現地に到着しました。こんな風に羅臼って北海道の中でも気候も全然違えば、風土、自然も全て違う、世界自然遺産になる位ですからトド、ヒグマ、オオワシなどの生き物の棲家であり、かつ羅臼昆布やスケソウ、ホッケ、キンキなど豊かな漁業の町でもあるのです。ドラマ北の国からの舞台にもなりましたが独特のある種神秘的な空気感を持った町です。
実は絵にも書いたように羅臼は今はロシアが実効支配する北方領土の国後(クナシリ)島が目と鼻の先にあります。というか肉眼で間近に見える。北方四島は第二次世界大戦までは日本の領土で日本人が住んでいましたが、終戦間際に当時のソ連が侵攻してきてその後現在までソ連崩壊後のロシアが占有を続けています。国後島は沖縄本島より一回り大きい面積ですし、お隣の択捉(エトロフ)島に至っては東京都の面積の1.5倍、豊富な漁場を抱えた漁業権や火山が多く温泉も豊富にあり手続かずの自然観光資源などを考えると日本に帰属された場合、竹島や尖閣などお話にならない現実的な経済効果を生むのです。
日本政府は戦後ずっと四島一括返還の立場でソ連、ロシアと領土交渉を続けてきましたが、さっぱり交渉は進展しなかった。今、森善朗元総理を特使としてロシアに派遣して相手の腹をさぐろうとしている。森氏は国後島、色丹島、歯舞群島の三島返還論を現実的妥協点として持ち出しています。
以前は国民の関心も薄れちょっと風化した感もあった北方領土問題ですが、ここに来て大きく動く可能性が出てきたと思います。というのうはロシアはアジア新興国の経済成長から乗り遅れ中々有力な産業が育たず、鉱物資源で外貨を稼ぐ政策に頼らざるを得ない。サハリンなどのLNG開発を盛んに進めて日本が最大のマーケットと考えていた。ところがここに来てアメリカのシェールガス革命で安いLNGや原油をアメリカが輸出するという構図に一気に変わりつつある。日本としたらエネルギーの買い手としてロシアに対して強気で出る事ができる。当然領土交渉に大きな影響を与えるという事です。
歴史に翻弄されてきた国境の町羅臼、今後どんな運命が待っているのでしょうか。領土の線引きなんて本当にどうなるか分からない、過去に起こった事はまた起こる。是非、この問題、注視して見ていて下さい。
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乗山徹
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