「食い逃げ」をやめよう

2011/11/26 2016/04/28

昨日、十勝の農業者の方とお話する機会がありました。法人化して既存の農協との組合員勘定から脱却して計数管理の透明性と独立性を保ちたいというご相談。

平たく言うと農協と距離を置いて普通の商売と同じように自立した経営をしたいという事。
今ＴＰＰで日本の農業は大騒ぎしていますが、ＴＰＰ以前の問題で日本の農業が問題山積みでひたすら保護してきた結果、産業としてもの凄く弱くなってしまった。
最近は農業の方の経営相談も増えてきたのですが、産業としての可能性はもの凄くあるにも拘わらず現実は旧態依然としたシステムが時代に対応できていないように思います。
中でも農協が肥大化して、本来の農業者の支援機関、黒子としての役割とは逆にどっちが主役が分からない構図になっているように思います。一例として、農家の後継者不足が問題となっていますが、子供は農家の後を継がず地域の名門企業である農協に就職してしまう事も多いという話を聞きました。
あと北海道はまた事情が違うのですが、日本全体では小規模兼業農家が多く、補助金のうまみから中々大規模化が進まず非効率なまま推移しています。
自民党の時代からひたすら農業保護政策を採って来た結果、日本の農業は生産力が上がるどころか、気付いたら後継者もおらずさらに弱体化していた。
民主党の世の中になっていよいよ農地を集約して大規模化政策にカジを切るかと期待していたら所得全戸補償とかいって小規模兼業農家が続けた方が旨みがあるような仕組みにしてしまった。

何が悪いと思いますか？何故こんな事を続けているでしょうか？と考えると、
もらう方（農家）も悪いけどあげる方（政治家）も悪い。目の前の票が欲しい。そのためには今生きていて票を持っている人に甘い囁きとアメをあげるしかない。
でもこれを続ける限り、将来の世代にツケを先送りにしているのと同じですね。
現役世代は後継者を育てる、未来の農業の布石を打つ役割を持っている。
にも拘わらず政治家も農業者も役所も誰も何もしてこなかった。
これって現役世代の「食い逃げ」ですね。

実は農業だけではありませんね。全ての問題で同じです。
日本の財政破綻度、ギリシャ、イタリア、スペインの比ではありません。
９０年代バブル崩壊以後からずっと農業と同じ構図です。
現役世代が甘い汁を吸い続けて将来にツケ回ししてきた結果です。

昨日の新聞に年金給付で過去物価スライドしなかった時期があり、割高になっているので給付を見直すという方針に対して、民主党内で反対意見も多いと出ていました。
これなんかも国民に甘いささやき、将来つけまわしの典型的パターンですよね。

新党結成の動きもあるとか聞きましたけど、甘いささやき、将来つけまわしで何も考えていないような議員がとても多いように思います。
もう政界再編してそんな議員をひとくくりにしっちゃったらどうでしょうか？
新党のネーミングを提案します。・・・・「新党さきおくり」
もう一つ・・・・「日本食い逃げ党」
なんてのはどうでしょうか？

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