歴史はネタの宝庫
2016/04/28
釧路は水産都市でもあり豊富な食材をいかに加工・商品化し世の中の広めて買っていただくかに各社しのぎを削っています。
先日、シシャモのマーケティングのご相談がありお話している最中に「あ、あれを使うと面白かも」と思ったことがありました。
以前にブログで松浦武四郎が幕末から維新にかけて北海道にやってきた各地を探検した記録を残した文書を読んでいることを書きました。
その中で丁度釧路川のくだりがあります。
「クスリ川 この川十月頃迄鮭漁有、其後に及びてシシャモといえる小魚多し群来るや也、群来るや夷人共皆網を以って舟に汲込候由也、然し二三度郡来る斗り也と、是皆土人の飲料なりと、この魚東地にて当所、トカチ、サルの三ヶ所より捕れざる由なりける。」
現代語訳だとこんな感じでしょうか。
「釧路川では10月ごろまで鮭漁をして、その後ししゃもという小魚の群れが来る。群れが来るとアイヌの人たちが網で漁をして舟に揚げる。2、3度群れが来てそれは全てアイヌの人たちの食糧になっている。ししゃもは釧路、十勝、鵡川の三箇所でしか捕れない。」
ししゃもは現代でも希少な魚です。しかしこの記述は当時から東北海道沿岸と鵡川近辺の特定の川でしか捕れない貴重な魚だった事を表しているのです。恐らく武四郎がししゃもの絵をスケッチして書き込んでいるところを見ると、当時ししゃもは日本では流通していない魚で初めて目にしたのだろうと推測します。
つまり歴史的に見てもそれだけ貴重な魚である。だからブランドとして価値がある事を表現していけば良いのです。
パンフやホームページなどメディアを作りこむ際にこういった古文書の中身を活用させていただく。
実は武四郎の古文書はマーケティングネタや北海道企業の経営戦略ネタの宝庫ではないかと思っています。開発前の北海道の元々の強みが方々に記されているはずなのです。
北海道の強みの原点を確認する。
これから解読していくのが楽しみです。
乗山徹
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