コロナと共に去りぬ
昨日、リモート化によってコミュニケーションの変化に伴いあらゆる産業が元には戻らないと書きました。
コロナを機に、全て産業が自己の立ち位置を見直さざるを得なくなったのだと思います。
これは、これまで定位置だと思っていた坐り場所がなくなることを意味します。
昨日の自分の起きた変化一つを見ても、リモートでもできるような出張や打合せは劇的に減る。それによってJRや飛行機、ホテル、現地の飲食店の売上が失われるのです。これがあらゆるビジネスマン、一般旅行者などに等しく起きるのですから、そのインパクトは計り知れない。
リモートによるコミュニケーションが当たり前の社会インフラになると、リアルのサービスに対しては、かかるコストを上回る価値を要求される。これまで当たり前と思われていた価値が実は大したことがなかったのでは?と疑われる。
かつて釧路から東京にかける電話料金は驚くほど高かった。距離に応じた課金が当たり前だと誰もが信じて疑わなかった。今は市内通話とそれほどの差はないし、そもそも固定電話ではなくスマホ通話だし、LINEやメッセンジャーで無料通話をしたり、メッセージのやり取りするのが当たり前になっている。
距離に応じた課金に価値も合理性もないのは万人の常識になっている。
これから全ての仕事の価値の大転換が起きて、これまで価値があり定位置だと思っていた坐り場所がなくなる。そんなことが我々の身の回りに次々に起こると思う。
今、全ての企業に求められているのは自らの価値の整理、見直しであり、価値の再定義なのだ。
居心地の良い定位置はコロナと共に去りぬ、かもしれない。

乗山徹

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