パンドラの箱が開いた
コロナによって、好むと好まざるにかかわらず、パンドラの箱が開いてしまった、と実感する今日この頃です。
中小企業診断士は毎年1回、資格の更新研修を受けなければなりません。
この更新研修は都道府県単位の中小企業診断協会が実施していて、東京は毎月、北海道だと年3回開催されているのですが、私が住む釧路のような地方都市では開催されないため、例年だと札幌まで一泊JRで出かけなければならず、有料の受講料に加え、旅費交通費も自分持ちという余計な費用がかかってきます。
先日、SNSでリモート研修があることを知って、これは乗らない手はない!ということで申し込み受講してみました。
13時~17時30分の長丁場でこれはリアル開催も同じ。
ZOOMを使って受講するのですが、テキストは事前にネットでダウンロードしておきます。講師による座学の基調講演に3人単位でのグループワークを交えながら進んでいきます。
さて、4時間半の長丁場はどうだったのか?
「とても満足度高かった」です。正直言うとリアルの更新研修より全然良かった。
例年だと、大きな会場に4時間半の座学詰め込みはきつかった、というか退屈でもあり、中には眠っている人もいた。
リモートでの基調講演は集中できたし、何よりもグループワークが刺激的で楽しかった。
僕が一緒になったグループでは愛知2人、東京1人、若手の診断士で、もちろん初めてお会いする方ですが、皆さんそれぞれ個性的で明瞭闊達、年の差もあり逆に楽しかった。
「98年登録です」と自己紹介したら、「私まだ小学校4年生でした」とか「僕は中学2年生だ」とつっこまれ、時代の差を実感。
研修受けての実感は「もうコロナ前には戻れない」。
同じ事が、わざわざ東京や札幌まで出掛けなくても出来る。というか逆に今回のような座学はリモートの方が向いている。
特に地方在住者はこれまで教育やスキル取得の面で大きなハンデを負ってきた。
それがリモートで代替されればその分の金銭的、時間的コストはなくなる。
これは、今後リアルのセミナーやイベントはリアルの価値が問われることになるということです。
つまり、リモートでできることしか提供しないのであればリモートでやって欲しい。わざわざリアルのイベントに釧路くんだりからコストかけて出てきているのだから、それなりのリアルでしか体験できない価値を提供してくれ。ということです。
もちろんセミナーやイベントの主催する側は、リモートによってこれまで出席できない遠方者の参加もし易くなるのですからその分顧客が拡がる可能性も増える。
イベントやセミナーに期待されるものが今回のコロナを機にして大きく変わってきていると思います。
会議、商談、セミナー、逢引き、旅行、遊び・・、コミュニケーションが変わる。
それに伴う全ての商売が、もう元には戻らない。
パンドラの箱が開いてしまった。
乗山徹
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