売上アップアドバイザー シーサー君

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財務もアップデート

   

中小企業の経営幹部対象に財務の講義をしました。細かな経理の知識ではなく、経営者視点での数字の見方がテーマ。
BSやPLが読めないというのは経営者としては致命的。
といっても2時間の中で細かなこと全てを知れというのも無理な話で、最もコアな部分、ここをはずしては経営者としてまさに命を落とすことになるという部分をピックアップしてお話しています。

財務は数字が嫌いな人、苦手な人にとっては鬼門かもしれません。
でもね、良薬は口に苦しとも言います。
どっちみち、世の中この財務基準で動いている、その基本的な動きを知らずして経営に当たるなんて、それはアホと呼ばれても仕方ない。
損益計算書(PL)は勉強しなくても感覚的に誰でも理解できる。売上と経費と利益が順番に並んでいるし、多くの人が普段からこの感覚で仕事をしている。
一方、貸借対照表(BS)の見方が分からず苦手意識を持つ人が多い。
これは当然です。何故なら数字を眺めていても、見方をちゃんと勉強しないと一生眺めていても解明できない性質のものだからです。
説明を受ければ、読み方なんてすぐ身につけられる。
会社の実態や会社の将来を見極める上でBSが読めないことには話にならない。
そこに敢えて講義を受ける意味がある。
ここを放置しておいて、結構ベテランになってもBS苦手経営者や幹部の何と多いことか。
放っておいては恥ずかしいし、何といっても危険です。

話変わって、財務管理入門編的な内容であれば、時代は変わってもそんなに話す内容は変わらない。時代が変わろうがどうなろうが、企業財務の本質は変わらないから。というのがこれまでの財務講座の準備の仕方でした。

しかし企業財務の本質は変わらないけれど、企業財務を取り巻く環境はここに来て激変しているわけで、そこに触れないわけにはいかないということで今年はその激変している部分を加え、途中から修正をかけました。

どこが決定的に違うのかというと、中小企業側から見ると資金調達の部分、金融機関の立ち位置が大きく動きつつある。
僕が中小企業診断士、経営コンサルタントとしてこの世界に飛び込んだ2000年を過ぎてから金融の世界の基準になってきた「金融検査マニュアル」がこの3月で廃止になる。それも含めて、金融の世界が激変している。

その流れを見ると
・1998年:山一証券、拓銀破たん等不良債権増大、金融危機
・2002年:金融検査マニュアル策定
・2008年:リーマンショック
・2009年~2013年:金融円滑化法(モラトリアム法)
・2019年3月末:金融検査マニュアル廃止
大きな経済事件をきっかけに法律や国の政策が変わり、資金調達をする中小企業にとっては苦しめられたリ、若干緩くなったりしてきた。
そのバックボーンにずっと君臨していたのが金融庁の掲げる「金融検査マニュアル」でした。

この金融検査マニュアル廃止の大方針としては、中小企業への融資を、担保・保証重視から事業性評価重視へ切り替えるということ。
そもそも金融検査マニュアルが出てきた背景には、金融庁がバブル崩壊後の銀行の倒産を防ぐためにこれ以上不良債権を増やさないように経営状態の悪い中小企業には金を貸さない、そのためのガチガチの融資基準をつくったことにあります。

今回の改正は中小企業の資金調達にとってはプラスに働く制度改正だと思います。

一方、当事者である金融機関は嵐のような激変に見舞われているように見えます。
・フィンテックの登場
・日銀による低金利政策による地銀の経営悪化
・仮想通貨の登場
・キャッシュレス経済化
等々、業界自体が土台から揺さぶられている状況にあります。

中小企業にとっては資金調達はこれまで殆どを金融機関の借入金に頼ってきましたが、資金調達や送金も含めて金融機関のサービス以外に選択肢が拡がり、今後さらに新しいサービスが出てくるような動きになっています。

中小企業の経営も金融機関の経営もカンブリア紀、ガラガラポンの渦の中。
再びダーウィン、環境変化に淘汰されないようにアップデートが必要。

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北海道釧路市の中小企業診断士&ITコーディネーター。エクスマ手法でお客さん企業の売上アップを日々指導。沖縄好きで三線唄者「シーサー君」としてピン芸人もやっています。「シーサー君ブログ」で手書き絵ブログを一日一絵一文を更新中!

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