耳の痛い話
今「JALの奇跡」という本を読んでいます。
絶対に再生不可能と言われた日本航空JALを倒産から見事に復活させた稲盛和夫氏と共に、その実行責任者として京セラから乗り込み指揮をとった大田嘉仁氏の実録。
なぜあの巨大企業が再生できたのかが詳細に書かれてあります。
まずは人の心の改革。稲盛氏の改革に終始貫かれているのは
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
という方程式。
この「考え方」、多分僕が書いても伝わらないので、一体何かは著書を読んでみてください。(この本の回し者ではありませんが)
これは人としての生き方を説くものでもあり、私自身、大きく心を突き動かされました。
そして、当時の心が荒れた巨大企業JALの社員一人一人の生き方そのものを変えたのです。
そしてもう一つの柱が数字による経営です。
当時のJALは数字を細かくチェックするという習慣がなく、数値管理はずさんなレベルだったと言います。
稲盛さんは各部門の経費の一つ一つを極めて細かくチェックし、大企業の会長がそんなことまでするのか!というレベルまでしつこく掘り下げて数字を質問し、数字に対するずさんな体質を変革していった。
数字を細かく現場レベルで意識する。
私自身、サラリーマン時代にずさんなリストラ会社からの再生の経験者として、いきなり1円の節約までしつこく要求される「耳の痛い話」に反発し、抵抗し、でも結局やらざるを得なくなり、その細かな管理が習慣化され、意識改革を産み、再生への確信と変わり、結果として利益を生む体質に転換するというプロセスを通じて、数値管理の徹底された組織とそうでない組織との差を嫌というほど思い知りました。
永年の低迷が続く会社は、人心が乱れてモラルが低下、ずさんなドンブリ勘定が蔓延している。
そこに徹底的に切り込む「耳の痛い話」こそが、伸び切った組織を救う唯一の光なのだと思う。
大企業の再生の実話ではあるが、人としての生き方を説く稲盛哲学の良書、これまたご一読を。
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乗山徹
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