爺ちゃんに倣え!
2018/08/06
経営塾でもコンサルティングの場でも必ず確認することがあります。
それはそもそも何故、今の商売をしているのですか?何をきっかけに開業したのですか?ということです。
会社によっては先代や先々代にまで遡る場合もあります。
それでも不思議なことにこれまで「何故開業したのか昔のことだから分からない」という人は一人も居ないのです。
もちろん自分が創業者であれば、自分のことですから当然分かるわけです。
でも、親の代、さらに祖父の代のことも、どんな経営者であってもきちんと会社の歴史は延々と語り伝えられているのです。
会社経営を時間軸で見るということが凄く重要だと思うのです。
何故、それが必要かというと、時間の経過と共に自分の事業の置かれている環境は変化し、世の中の景色がどんどん変わっていくからです。
爺ちゃんの創業した時と、今では世の中の風景はまるで違うし、求められている商売もまるで違う、というのは当たり前の話。
多分、創業の時は今の世の中で凄く必要とされている或いはばっちり商売になりそうだと思うから敢えてリスク覚悟で事業をおこすのです。
そしてその判断は大方見込が当たっていたからこそ、繁栄を築き今の今まで続いてきた。
でも考えてみれば、それは奇跡のようなことなのかもしれません。
というのは世の中の景色が30年前と今とではまるで違うように、どんどん年毎に、最近だとそれが週ごとや日ごとに変化する速度が激しく上がっている。当然、世の中に求められる商売はどんどん変わっているのです。
だから今生き残っている会社は、爺ちゃんの頃の商売とは名前は同じかもしれないけど、時代の変化に対応して中味を変えてきたからこそぎりぎり今がある。
ところが実際に我々は本能的に勘違いを起こし易い。
確かに変化が激しいのは感じているけど、やっぱり今日と同じ明日が来るんじゃないかと。
確かに毎日の感覚はそうなのです。
その毎日同じ感覚に慣れて、何も変化へ行動を起こさず同じことをやっていては、気付いた時には遅かったとなる。
冷静に考えると当たり前の話なのです。
数十年単位で比較すると世の中の風景が全く変わるのですから成り立つ商売も全く違う。
それなのに同じ仕事を延々と続けていたら古くて使えなくなるのは当たり前。
だから爺ちゃんが創業前にやったのと同じ作業を延々とやり続ける必要がある。
商売は変化対応業という言葉がありましたが、変わる風景の中で次を読んで商売に活かす、これが基本動作に組み込まれているか。
ゆで蛙にならないために、爺ちゃんに倣え!ですね。
乗山徹
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