4つのやつ再び
先日、ある経営者と話していて「以前に乗さんに教えてもらった4つのやつを定期的に見直して、事業転換を図ったら事業が好調でね」とのこと。
はて?4つのやつって何だろう・・。
と思ったらどうやらSWOT分析のようなのです。
僕は最近はSWOT分析ってご無沙汰していてちょっと懐かしく感じたのですが、もしかして今だからこそこのツールの必要性が増しているかもしれないと思いました。
SWOT分析は現状分析のツールで今の自社の置かれている経営状況を4つの領域に分けて表していく。
1.内部環境
S:Strength(強み)
W:Weakness(弱み)
2.外部環境
O:Opportunity(機会)
T:Threat(脅威)
の頭文字をとってSWOTなのです。
内部環境は自社の経営資源(能力)の強い部分と弱い部分、例えば資金力や技術力、人材とか社内コミュニケーションなど・・・
外部環境は自社の力の及ばない外部の経営環境で飛躍のチャンスになりそうなこと、逆に足を引っ張るような嫌なこと、例えば最近のAI化、ロボット化やSNS社会とか、或いは高齢化、雇用環境が悪い、資材の高騰など・・・・
この4つの領域で挙げられるだけ挙げてみるのです。
それでまずは今の置かれている状況の認識からスタートしようということです。
問題はこのSWOTをどう生かすかなのだと思います。
もし、SWOTの結果を見て、こんなの分かっていることで今更現状ですなんて言われても使いようがないさ・・
と言ってしまうと、本当は分かっていない人なのかもしれません。
多分、冒頭に紹介した社長はこのSWOTで危機感を感じて今の延長線上に未来はないと早々と「見えた」のだと思います。
そこからターゲットを変えた新規事業にダイナミックに集中して事業を成功させたのです。
恐らくですが、変化を変化と感じてチャンスを見出すような基本的な態度やセンスが問われているのではないか?
昨日のブログで書きましたが、変化の情報と接しても無意識に変化にバイアスを掛けて心の中で否定していないか?
そして今日と同じ明日が来ると内心思っていないか?
SWOT分析を手垢のついた古いツールのように言う人も多いのですが、それは違うのではないだろうか?
本当の変化を素直に察知できない保守的な自分はいないだろうか?
自戒を込めて書きますが、是非SWOTを真っ新な気持ちで今一度作ってみることをお勧めします。
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乗山徹
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