生産性革命は飛び道具より人
2018/02/17
第4次安倍内閣の目玉施策の一つが「生産性革命」です。
生産性とは労働者一人当たりが生み出す付加価値のことで、この生産性が高ければ高いほど儲かっている会社となり、生産性は高ければ高いほど良いということになります。
日本の中小企業は世界的に見てもこの生産性が低く、どんな会社にとっても低生産性は克服すべきいの一番の課題なのです。
この生産性を上げるために政府のアナウンスではIoT、ロボット、AI導入だと最近の技術革新を挙げています。
しかし、実際にこれらのイノベーションをすぐ経営に取り入れて生産性を飛躍的にあげられる会社はまだまだ少数だと思います。
実際には、生産性の上がる会社と上がらない会社の違いにはある決定的な要素が絡んでいると思っています。
この事実を顕著に説明できるのは企業再生の事例ではないかと思います。
以前にもこのコラムで書きましたが、企業再生が成功する場合は経営者が交代する場合に成功確率が圧倒的に高まると書きました。
再生が成功するというのは赤字会社が黒字会社に結果的に転換するということであります。
つまりそこに生産性の飛躍的な向上が必ず見られるということでもあります。
メンバー数や設備等については一時的に削減リサイズされることはあっても、長期的に見れば再生後は元通り復元されることも多いので条件は前後で大きくは変わらないとします。
この生産性の変化を支えるのは、リーダーのシナリオに基づいた説明力とリーダーシップであり、それに答えるメンバーのモチベーション、気持ちに尽きるのではないかと思います。
私が以前2社でお世話になったK社長。
長年赤字続きで乗務員のモラルも最悪なトラック運送会社を黒字化。
バラバラで会社の悪口ばかり言っていた荒くれの運転手たち、数年後に誰もが自分の会社を誇らしげに人に語り出した。
前経営陣内部の争いで社員のモチベーションも下がり、会社は給料だけをもらうだけの場と化していた情報処理会社を黒字化、諦めきっていた社員一人一人が真剣に企業再生を願い、大型商談に全員野球で取り組んだ。結果その商談獲得をきっかけにV字回復を果たした。
社員の誰もが自社の将来に自信と希望を持ち始めた。
願いと目標を共有化して、必死に汗をかく、そんな過程を経たメンバーのモチベーションは以前のそれと比較にならない。
個々人の生産性はそういった過程を経なければ上がらないし、維持もできないのだと思うのです。
生産性革命は飛び道具より人。
トップとメンバーが同じゴールを目指し同じ夢を見れる。
生産性が上がるとはそういうことじゃないかと思うのです。
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乗山徹

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