商談モード?関係性構築モード?メリハリつけて
僕が経営コンサルタントとして独立したのが2000年1月、独立前はコンピューターシステムの営業マンでした。
当時、既にインターネットは普及していましたが、通信速度の関係でまだまだホームページ自体を持っている会社も少なく、ましてやブログやSNSなんて世の中にはない時代でした。
営業の基本は今も変わらないと思うのですが、お客さんの所に足しげく通って商談を段階的に進めるリアル営業が主体。
役所や地域でも比較的大きな会社を中心に攻めていたので、最低でも500万円位から、大きなシステムだと億単位のものもありました。
この位の商談になると、いきなり会って商談成立なんてことは有り得ず、定期的に通い詰めて、長い商談だと3年越しなんてザラでした。
毎回、通い詰めて何をやっているかというと、必ずしもパンフレットを持って商品の説明したり、提案書を持っていって説明するだけでなく、時には手ぶらで言って仕事と関係ない話をして帰ってくることもありました。
当時は、売上を上げるために必死で、自分のやっている営業行為を冷静に振り返ることもなかったのですが、今、当時僕がやっていた一連の営業行為を一言で言い表すとすれば「商談成立のために、その前提となるお客さんとの関係性構築に腐心していた」のです。
受注できた大型商談に共通するのは、お客さんとの人間関係がとてもよく出来ていたこと。
もう友達みたいな関係で、その関係は退職後も続いていて、一生の友と言える方も居ます。
モノ売るという行為を考えた時に、この「商談モード」とその商談をスムーズに回り易くする「関係性構築モード」の切り替え、繰り返しがとても大事です。
時は流れて、今やSNS社会。
これらの商談にインターネットのメディアを組み合わせて行くのが当たり前になった。
その時に、メディアの特質を理解しないと、フェイスブックでひたすら商品情報を流しまくって嫌がられたり、逆に発信量は多いんだけど、ラーメンの投稿ばかりで何屋さんだか分からない(笑)、といったことになりがち。
メディア毎に、「商談」と「関係性構築」のどちらに向いているか、一度自分で整理してみると良いと思います。
例えば
・「商談」の得意なメディア~ホームページ、ネットショップ、インターネット広告・・・
・「関係性構築」が得意なメディア~フェイスブック、ブログ、インスタグラム、Twitter・・・
といった感じで。
もちろん、一つのメディアで両方のタイプの発信を混ぜてやるなんてこともありますよね。
商談一色でもダメ、関係構築だけでもダメ、両方やって初めて商売に結び付く。
「ギラギラ売込みだけのヒト」や「ラーメンだけの脳天気な人」(笑)にならないでね!
乗山徹
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