読書はいいね！

2016/03/20

昨日は読書会、課題図書が辻邦生の「安土往還記」でした。
この読書会は隔月で日本文学の課題図書を参加者が事前に読んで感想を述べあう、最後に釧路高専の小田島本有教授が解説するというもの。さらにその後、読後の余韻に浸りながら酒を酌み交わし文学を語り合うという魅惑の集まり（笑）です。もう１７年位続いていて純文学からベストセラーまで課題図書は多岐に渡ります。

今回は、純文学のカテゴリーに入る辻邦生の作品。
実は辻邦生作品は１５年位前に一度「回廊にて」で取り上げられていて、参加者の殆どがその難解さに悲鳴を上げ、僕自身もトラウマがありました。
今回、かなりの年月を経ての再チャレンジ。
どうだったかというと、とても楽しく読めました。織田信長の最盛期に上り詰めて、突然、家来の明智に討たれ生涯を閉じるまでを人間信長に焦点を当てて描いている。
歴史好きの僕としてはワクワクしながら読めたし、長篠の戦、西山本願寺攻め等、信長の取ったビジネスモデルが凄すぎて本当に驚いた。
でも、今回の参加者の評を聞くと、やはり難解だったという方も多かった。

ってことは、俺の読解力が上がった？ということかもしれません！
その余勢を駆って、今日、以前手も足も出ない感じだった「回廊にて」を読み始めたのですが、全然抵抗感なく読めているのです。
読解力が上がった原因の一つは、この読書会で毎回、小田島先生の解説を聴いて、読み方のポイントのようなものが身に付いてきたのではないかと思っています。
そのポイントを僕なりに解釈すると
・作者の小説の作り手としての意図を理解する
・その意図が作品の中に巧みに仕掛けられている
・物語の語り部は誰かを意識する
等々です。

それと読解力を上げたもう一つの理由はブログを毎日書いていることだと思っています。
自ら言葉をゼロから紡いでいく作業を毎日繰り返していくことで、書く力が上がっていくのは当たり前の話で、同様に読む力もついてくるのは当然だと思います。
文学に親しむことは経営に最も必要なシナリオを書く力を涵養する。
誰でも無料で参加可能なので、参加したい方は声かけて下さいね。（但し読んでこない人はダメね）
◆日時場所：6月11日（土）18：00～プラザさいわい
◆課題図書：『無垢の領域』桜木紫乃

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