あなたのビジネスモデル大丈夫？

2015/11/13

先日、中小企業家同友会の企業見学に行く機会がありました。
工場を見学後、社長が会社の歴史や現状について語ってくれた話に大変感銘を受けました。

この会社は創業５０年以上にもなる釧路市の食品製造業なのですが、バブルの時代に会社が傾きかけたことがあったそうで、その際に先代の社長が取った行動が今に至るに繁栄をもたらしたとのこと。
その行動とは「ビジネスモデルを変えた」。当時、自社内シェアの大半を占めていた大手流通業者２社との取引を完全にやめ、小口の個人宅配に切り替えたのです。その理由は、大手流通は取引額は圧倒的に多いのですが、利益率が極めて低い。まさに「働けど働けど我暮らし楽にならざる、じっと手を見る」的な状態だった。そこを小口ではあるが直販取引によって利益率の高い個人宅配に活路を求めたというわけです。
そこが再浮上のきっかけとなった。凄い決断だと思います。

僕はここまで聞いて、あれ？同じような話をつい最近聞いたことを思い出しました。このブログでも書きましたが、１億円メロン農家の寺坂祐一さんの話も、奴隷的とも言える低単価の農協取引をやめ直販に全て切り替えたことから今に至るという話でした。日本の殆どの農業者は今もそこを切り替えられずに国（補助金）のお世話になっていることを考えると、その時の判断がビジネスモデルを１８０℃転換する大英断だったわけです。

僕も企業再生コンサルの仕事を長くやってきましたが、最終的に破たんに至る企業の全てが、ビジネスモデルを転換できないまま低収益体質から抜け出せないで死に至るというケースなのです。
会社を長くやっていれば、必ず岐路に立たされる時が来る。その時にこれまでのビジネスモデルをやめて新しい道に入っていく、という大英断を下せるかどうか。
そこが経営者としての真価が問われる分岐点なのだと思います。あなたは、そんな岐路に立たされた時に英断を下せるでしょうか。
本当に今のビジネスモデルでこれから先やっていけるのか、それを考えるのが経営者の一番の仕事だと思います。
あなたのビジネスモデル大丈夫？

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