良い本だから売れるわけではない
2015/10/15
昨晩は恒例の読書会、先生含め6名が出席。ちょっと分厚い本だったためかいつもより少人数でした。作品は中原清一郎著「カノン」、作者の中原清一郎は37年前の学生時代に外岡秀俊という本名で「北帰行」で小説家デビューし注目を集めた。卒業後、朝日新聞のジャーナリストとして活躍し、小説は86年に中原清一郎名義で1作書いて以来で、小説家としては寡作で、外岡秀俊名義でジャーナリストとしての著書が多いという人です。
小田島先生(釧路高専教授)に、「どうしてこの「カノン」を今回選んだのですか?」と質問したら、「北帰行」を学生時代に読んで外岡秀俊に注目していたが、その後殆ど小説を発表せず、別名義で発表した「カノン」を新聞の書評で見つけ読んでみたら、とても面白かったので皆に読んでもらいたかったとのこと。
さらにもう一つ質問、「この本は僕自身も凄く沢山の発見があり、素敵な本だと思いました。不覚にもラストシーンで涙まで流してしまったのですが、ベストセラーにはなったのですか?」と聞いてみました。先生曰く、ん~まだ初版のままだし、売れたということでもないんだろうね。
マーケティングコンサルタントとしては、ああ、ここでもやっぱりそうか、と思いました。良い商品だからといって売れるわけではない。良い商品と売れる商品はイコールではないといういつもの現実です。
そもそも売れる本は何故売れるんでしょうね。
以前のようにリアルの書店で買うしかなかった時代は、マスコミでの広告や新聞での書評が決定的な要素、さらに書店に対する営業力とか出版社の力関係だとかで良い場所へ平積みにしてもらえるかどうかが決まったのだと思うのです。
やっぱり直木賞や芥川賞はじめ賞をもらうと書店側も売り易いだろうから優先して宣伝してもらえるんでしょうね。
今だとそれに加えて、ソーシャルメディアで影響力のある人が紹介したりすると芋づる式にシェアの連鎖で初版は結構いけるんじゃないでしょうか。
ってことで、もし僕のこの記事を読んで、自分も読んでみたいな~という人は是非読んでみて、気にいったら感想をブログやFBにアップして欲しいな。
こんな素敵な本を埋もれたままにしておくのはもったいないのです。多分、あなたも最後まで読めば泣けるに違いありません。読後拡散希望!
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乗山徹
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