移動は文学で

2015/10/10 2015/10/15

３泊４日の出張から昨日帰ってきました。出張の楽しみの一つは普段住んでいる地域（北海道釧路）とは全く別の空気に触れ、文化や風土、習慣、言葉の違いなどに触れることです。
それ以外に最近、出張が増えるにつれて大切にしている習慣が、移動中の読書です。

もちろん道内の車の出張では出来ないのですが、飛行機やＪＲなど数時間の乗車中や待ち時間は読書の絶好の時間です。
読書の中でも、次から次へとＳＮＳで友達や知人が紹介したビジネス書、最近だと本人が出版した本も多く、楽しみながら読んでいます。
そして、さらに貴重な時間が文学、小説を読む時間です。

実は今日これから２カ月に１度の読書会の日で、課題図書が中原清一郎著「カノン」です。今回の出張中ずっと読んでいてさきほどやっと読了。
末期ガンで余命幾ばくも無い５８歳の男性と記憶を失って行きやがて記憶ゼロになる難病の３２歳の主婦、互いの脳の海馬を交換するという近未来的なテーマの小説で、これは読みごたえのある作品でした。母親の問題、男女の問題、認知症の問題、子供の心理、生死の問題、本当に人生の多くの問題について疑似体験し考えさせる。そしてラストシーンに思わず涙が止まらなくなりました。最近読んだ本では一押しの傑作だと思います。

ちょっと前までの僕もそうでしたが、大人になると文学から遠ざかる人が多くなるけど、本当にビジネス脳力の糧になるのは文学であるというのが僕の確信です。
移動時間は文学がオススメです。

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