おいしいマーケティング

2015/07/19 2015/11/13

僕は中小企業診断士という資格以外にもう一つＩＴコーディネーターという国家資格を持っています。ＩＴコーディネーターは経営にＩＴを上手く活かしたい会社にシステムが機能して良い投資となるようにコンサルティングをする役割です。この資格更新するのが結構大変で継続的に学習することを要求していて、セミナーを受けたりして一定ポイントを満たさないと更新できない制度になっています。そのポイントの一つに雑誌の購読があって、そのせいもありＩＴ系の業界紙を定期購読しています。

以前から思っていて一向に変わらないな～と思うのが、掲載されている広告が結構ひどいということです。何がひどいかというと典型的な伝わらない広告なのです。まあＩＴ業界人の足を洗ったので（コンサル独立前はＩＢＭのオフコンやシステムを一生懸命売っていた）システムに殆ど興味がないからと言えばそれまでなんですが、面白い広告がこんなに無い雑誌も珍しい（笑）と思います。
キャッチコピーが凄い。「新しい働き方を、あなたらしいデバイスで」とか「変化することは当たり前。大切なのは、本質が何か見極めること。」、とか「ビジネスの成功に必要な俊敏性、革新性、先見性を貴社のＩＴシステムにも」とかね。この３つのコピーそれぞれ別なシステムなんですけど、一体何に使うシステムだか中味読んでも分からないという素晴らしい広告（笑）なのです。

元業界人だから分かるのですが、この業界はマーケティングを意識して実践している会社がとても少なかった。ひたすらスペック重視で機能を追っている。他社と比較して〇▽機能は絶対負けません！って口角泡を飛ばして営業しているのです。雑誌の広告を見る限り、スペック重視で商品や会社の素晴らしさをどう伝えるかというマーケティング機能は未だに９０年代のままだと思います。
でもね、もし僕がＩＴ会社の社長だったら、今の状況おいしいですよ。ちゃんと伝えるマーケティングやれば、まさにブルーオーシャン、思いっきり刈り取れるわけですから。

こういう風に業界全体がマーケティングを軽視してきた業界って結構多くて、公共事業主体の建設業界なんかも同じ状況にあります。以前、そういう業界で官公庁も含めたお得意さんや取引先にニューズレターをつくって配り始めたらその反響たるやハンパなかった。他の業界で当たり前にやられていることが衝撃をもって受け取られたのです。
ブルーオーシャンって視点、見方を変えるといくらでも拡がっているのに「儲からない、儲からない」って口癖のように言っている。もったいないな～と思うことが多いです。

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