一人芝居

「ウチには人材が居なくて」、「ウチの会社の社員は皆能力がない」・・・経営コンサルタントやっていると、こんなお話を直接社長さんから聞くことも結構あるんです。
でも、でもですよ、僕はその言葉を真に受けることはありません。逆に、そうなっているのは目の前で話している本人、経営者の考え方や振る舞いに殆どの原因があると思っています。

アイデア社長は会社を潰すと言った人がいました。会議などで社員のアイデアを一通り出させた後で、社長が自説を滔々と述べて最後に「どうだ俺のアイデアは凄いだろ～」って言って社員のアイデアを吸い上げないと、社員はアイデアを出すのを止めてしまいます。そして本当は心の中で納得していないのに、気持ちよく自説を述べる社長の言葉に毎回ウンウンと頷くようになるのです。
社長はこんな状態を見て、冒頭の言葉「ウチには人材が居なくて」、「ウチの会社の社員は皆能力がない」となるわけです。

ワークショップ形式のセミナーでいつも感じるのですが、ある課題を与えてアイデアを出してもらうと、経営者や古参の幹部の人たちよりも若手でそれほど普段重要な仕事を与えられていない人たちの方が柔軟で面白いアイデアが出てくることが多い。もしアイデアが出てこないとすれば課題の出し方、質問の仕方に問題があるのです。
経営者の仕事は各論のアイデアを出すことではない、会社の行く道を示すこと、落としどころを考えることです。各論を出す主人公は社員、メンバーに譲る。
豊富な役者陣の出番を与えないまま延々と一人芝居を続けている。一度客席に座ってみたら良い。その滑稽さに気付くと思いますよ。

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乗山徹

代表取締役 ： ファーストコンサルティング株式会社

北海道釧路市の中小企業診断士＆ＩＴコーディネーター。エクスマ手法でお客さん企業の売上アップを日々指導。沖縄好きで三線唄者「シーサー君」としてピン芸人もやっています。「シーサー君ブログ」で手書き絵ブログを一日一絵一文を更新中！

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