広い空の下、広い海へ出てみよう

2015/03/07 2016/04/02

昨日、フェイスブックのタイムラインで思わずシェアしてしまった記事がありました。さかなクンってご存知ですよね。さかなクンはただのタレントではなく実は魚類学者なのですが、彼が『いじめられっ子』に贈った興味深いメッセージが書かれていました。
昔、中学校の部活でいつも仲間にいじめられている同級生がいて、つらそうな時に一緒に魚釣りに行ってあげたら心が癒されて元気になっていた。メジナという魚も海では群れをなして仲良く泳いでいるけど、水槽に入れた途端１匹をいじめ始める。その一匹を水槽から出してあげると、今度は別な一匹をいじめ始める、こうして永遠にいじめが繰り返されるそうなのです。最後にさかなクンは、広い空の下、広い海へ出てみよう、で締めくくっています。

こんな話を読んだ後、偶然なんですが、企業向けセミナーで自己紹介をしてもらったある女性から、こんなエピソードを聞かされました。幼い頃から一風変わった子供でいじめられっ子だった。その後成長して外資系企業に勤め、米国のシアトルに住んでいた時期があり、人生を暗転する出来事に遭遇し絶望の淵に追いやられた。そんな時に何故かグランドキャニオンに行ってみようと思い立った。あの壮大な眺めを見ている内に自分を取り囲んでいる世界がちっぽけに見えてきて全てが吹っ切れて次の一歩を歩み出すことが出来た。
全く同じ日に、あまりにもぴったり符合する二つの話を聞くことになり、正直驚きました。

人間関係のコミュニケーションに悩む人や組織は多いと思います。日本中のあらゆる場所、学校、会社、部活、グループ、家庭、組織で今現在もメンバー同士でいじめ、不仲、コミュニケーションの不和は続いていて、いじめに悲鳴を上げる者、時には死を選ぶ者もいる。
おそらく、私達人類のＤＮＡも元々は広い海原、広い空の元で伸び伸びと生きる中で培われてきたものだと思います。現代社会の組織は水槽であり、そこで働く我々は水槽の中の魚なのです。元々ＤＮＡにない区切られた世界に押し込められるストレスから様々な軋轢は起きる。

上に挙げた２つの話は、活性化しない不幸な組織と個人を変えるための重要な示唆に富んでいると思います。
それは我々ヒトの元々のＤＮＡが欲している状態に戻してあげる。つまり水槽をぶっ壊して大海に戻る。狭い世界から枠のない広い世界に戻してあげるのです。
もちろん、組織は人間社会の中で効率的に物事を推し進めていくうえで欠かせないものだから発展してきた。その両者のせめぎ合いの中でどう組織を再設計していくのか、経営者の考えどころだと思います。でも突破口はあるはず。その手がかりを示すエピソードではないでしょうか。

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