日本のガラパゴス、根室へ

2014/06/19 2016/04/03

ここ１０年来言われてきた言葉で「ガラパゴス化」という言葉はご存知だと思います。日本の電気製品なんかは日本でしか通用しない過剰品質で世界標準から取り残されたという意味で「ガラパゴス化」は悪いニュアンスで使われることが多いと思います。でも、ガラパゴス島は他との環境が隔絶されたがゆえに独自の進化を遂げたおかげで、他には見られない動植物が生息し、観光資源としてはとても魅力的なのです。

昨日、根室で講演する機会があり、懇親会で根室の皆さんとお話して、ここってガラパゴスだな～と感じることが沢山ありました。なんたって日本再東端の半島で島みたいな地形です。つまり東の行き止まりなのですね。ところが、根室で日本最東端というのはタブーだと言います。「え？だって肉眼で北方領土、ロシアが見えるじゃないですか！」といったものなら、すかさず「何言っているんだ、北方領土は日本の領土だよ。日本の最東端は択捉島だよ」という答えが返ってくるのです。最近、尖閣や竹島など領土問題の話題が新聞紙上をにぎわしていますが、この北方四島は第二次世界大戦終了までは日本の領土で多くの日本人が住んでいたという意味では、返還に対する地元民の悲願は尖閣、竹島の比ではないのです。残念ながら返還運動が今だに現実問題として根付いているのは根室市以外では殆どないのです。これをガラパゴスというのはあまりにも失礼ですが、根室市民独特の視点を持つ人が多いという意味では良い意味でのガラパゴスかなと。あと、スナックのお姉さんたちも、皆根室っ子。釧路あたりだと結構他の地域の出身者も多いのですが、根室っ子は純粋培養なのですね。根室にしかない洋食でエスカロップという絶妙に美味しい食べ物もあります。（バターライスに薄いカツが乗っていて、それにデミグラスソースがかかっている、さらにポテトサラダが添えてある）

サンマの水揚げが日本一の漁港、北方領土や知床が肉眼で見える、あり得なく美しい自然景観、ラッコやアザラシも見れる、世界的な野鳥の宝庫、根室人ゆえの独特の視点、本当にガラパゴスだと感じます。最東端で中々足を運ぶことがない。そこに価値と魅力があるんだろうね。根室にしかないものや風土がある、こんな街は他にあり得ない。観光キャンペーンやるとして「日本のガラパゴス、根室へ」なんてキャッチはどうでしょうか？

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