知ってましたか？元々シカが肉の定番だったことを

2014/04/20 2016/04/04

僕の住む北海道東部地区（道東）で１０数年来、深刻化している問題の一つがエゾシカによる被害です。農作物や牧草を食べる農業被害、木の皮を食べるため森林被害、そして何よりも車との接触による交通被害がひどい。実際僕もこれまで３回もシカと衝突していて、その度に車の修理費用が多大にかかる。エゾシカは仔馬位大きい動物ですから、交通事故で人間の方が亡くなる事故もこれまで度々起きています。郊外を運転していて何が怖いかって、道東ではエゾシカが一番危険な存在なのです。

一昨日は、そのエゾシカを食肉として流通させようと１０年来、取り組んでいる阿寒町の北泉開発さんにお邪魔してきました。山中、数箇所に囲み罠をかけておいて、罠にかかった鹿をトラックで牧場まで運びます。牧場で栄養のあるエサを与え、良い肉の状態に仕上げます。養鹿したシカは１年以内に屠畜し、食肉加工場で加工して商品として出荷するという流れ。感じたのは、すでに産業として確立しているということと、１０年来、全て自分たちで研究と改良を重ねてシステムを作ってきたんだなぁ～ということです。ここ数年、鹿の問題は北海道だけでなく、全国的にも急速に拡がっており、この北海道モデルが先駆者としてシステムを全国に広めていけるんじゃないかと思います。

鹿肉って食べたことありますか？牛に比べて臭みがなく、とてもおいしい肉なんですよ。フランス料理では高級食材として扱われているのは有名な話で、都内の高級レストランにもエゾシカは使われています。実は今、普通に僕たちが食べている牛や豚は明治以後、日本人が食べるようになったもので、それ以前は肉といえばイノシシやシカが当たり前に食べられていた。特に戦後、養豚や肉牛が産業として巨大化して、野生のシカを食べる習慣がなくなってしまったのです。要は慣れの問題で、敬遠されているだけ。油分が少なく鉄分が多い、ダイエット食やスポーツアスリートの食としても注目されています。鹿の食肉加工・流通は、北海道にとってはとても合理性のあるビジネスだと思います。シカさん、ごめんさ～い、と言いながらシカ肉をどんどん食べましょう（笑）。

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