三線のマーケティング
2016/04/13
沖縄の三線を手にしてから5年が経ちます。今持っている三線は友人が持っていた新品同様のものを売ってもらったもので入門用、二重張りといって北海道のような寒冷地でも胴に張ってある皮が破れないように二重になっている代わりに鳴りがいま一つ。上を見ればキリがないのですが、本格的なものは本張りといって皮が1枚張りで竿(ネック)の材質が南洋黒檀や八重山黒木という重くて硬い材で作られています。やはり高いものは鳴りが全然違います。僕も少しは腕も上がってきたのでそろそろ「良い三線が欲しい!」という願望を常に持っています。三線を始めて続けている人は必ず良い三線が欲しくなります。楽器って三線に限らず絶対良いものが欲しくなるんですね。
ところが、三線工房は基本的に沖縄県に集中している。取り扱い店は都内や近畿に何軒かあるのですが、実際の工房は全て沖縄にしかないのです。という事は買おうと思っても現地沖縄にいかないと買えない!あとは通販に頼るしかありません。三線人口は全国的に増え続けているといいますが、そのきっかけはNHK朝の連ドラ「ちゅらさん」ブームだと言います。この放映が2001年。僕は三線がブームになっていった背景にはこの2001年という年代も大きく関係があると思っています。というのはインターネット通販の普及時期と重なっているからです。三線のような特定の場所でしか買えない商品は情報を探ろうとすればインターネット以外には殆ど手段がない。これにいち早く気付いた三線工房はどんどんサイトを充実させて見せる工夫をしている。松田三線店、みなみ三線店、いーばる三線店などは毎日覗きに行っても変化があって楽しいつくりになっています。三線の制作や修理のプロセスを写真入りで解説していて三線ファンには堪らない魅力なのです。(多分やっている人にしか分からないと思いますが)
こういう全国のファンから垂涎の的で注目されている工房がある一方で、他の80軒あまりある工房の殆どは相変わらずホームページも持たず、持っていても更新もせず年代もののホームページで以前と同じやり方でやっている。どちらが良いか?確かに変わらない良さ、ランニングシャツで工房の片隅でのんびり三線作っているおじさんが居てっていう世界も大好きですけど、マーケティングって事考えると相当損しているんだと思います。三線を作る実力がいくらあっても、本当に限られた人しか買ってくれない。今や沖縄県外に圧倒的に大きな市場が出来て、その人たちがインターネットメディアを血眼になって情報探しているのに、情報を殆ど出していないがためにその需要からほとんど取り残されている。
ところで、何で三線工房のマーケティングの話を書いたかというと、これって他のニッチ商品のマーケティングと同じじゃないかと思ったんです。事例に挙げたホームページやブログってこういったマニアックで売っている場所が限られて強烈なファンが居る商品と基本的に同じでとても参考になると思うんです。ニッチでマニアックな商品はお客さんがインターネットメディア以外に頼るものが無いので、徹底的にホームページやブログに力をいれるべき。たまたまそんな商品の打合せをしている時に思い出したんで書いてみました。
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乗山徹
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