大事なことがスポーンと抜けている

北海道では北海道エアシステム（ＨＡＣ）の経営不振が新聞をにぎわせています。ＨＡＣは以前は日航の資本が入っていて札幌丘珠空港と道内の釧路や函館など拠点都市を結ぶ足として運行してきましたが、日航の経営難から日航が撤退、現在は道が筆頭株主として実にこれまで４０億円のお金を投入してきた。今年度も冬の悪天候により欠航が相次ぎ１億円の債務超過に転落するとの事。
そんな赤字なら支援なんかせずに潰してしまえばという声もありますが、北海道内の医師不足解消のため札幌から地方への医師通勤の貴重な足となっているし、これまで多額の税金を投入した手前、道も簡単につぶすというわけにはいかないようです。

企業再生でメシを食っている者から言わせると、典型的なまずいパターン、絵に書いた餅の計画で何も改善されず時間だけが過ぎていく、債務がさらに膨らみやがて破綻する。まずい点は一言で言うと金融面しか見ていない。悪い言葉でいうとお金が合うように計画だけ辻褄を合わせているだけなのです。ここまで来るとコスト削減なんてホコリも出ないほどギリギリまでやっているはずで、自力再生で残された道は搭乗率を上げる、つまり売上を上げるしかないのです。
何が欠如しているか？マーケティングです。何もやっていないに等しい。だってターゲットとなるのはＪＲだとグリーン車に乗るような連中だっていうし、僕だってたまにＨＡＣやグリーン車に乗ります。そのリピーターに対して聞こえてくるのが新聞で「経営不振」って記事しかないって、乗りたくなくなりますよね。飛行機なんて顧客データを詳細に持っているんだから、金のかからないメルマガから始めてみるとかしてもバチ当たらないと思うけどなぁ～。どうせ税金投入するならマーケティング予算に使ってリピーター対策をするべき。

ＨＡＣみたいな有名な企業も中小企業も、お客さんに自分の強みや良さを伝えて気付いてもらって初めて集客できるって基本は変わらないはずで、そこがスポーンと抜けている。そこをやらない限り長くないと思います。

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乗山徹

代表取締役 ： ファーストコンサルティング株式会社

北海道釧路市の中小企業診断士＆ＩＴコーディネーター。エクスマ手法でお客さん企業の売上アップを日々指導。沖縄好きで三線唄者「シーサー君」としてピン芸人もやっています。「シーサー君ブログ」で手書き絵ブログを一日一絵一文を更新中！

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