一歩　一歩

2011/04/02 2016/04/29

３月１１日の東日本大震災以来、ブログの更新を控えていましたが再開します。
まずは、東日本大震災に被災された方に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方に心よりご冥福をお祈りいたします。

３月１１日の１４時３０分頃、地震発生時は釧路市内のお客さんの社屋で打合せをしていましたが、揺れ方が尋常ではない、大地震だが震源は遠い場所だなと直感しました。ＴＶをつけると宮城県沖で釧路には大津波警報３ｍから６ｍに。それでもどこか実感が無く、ここまでは来ないだろうと逃げもせず。結果的には釧路には三陸地方にような大津波が来なかったのですが、北海道太平洋沿岸全域が大津波に襲われていてもおかしくなかったわけで、自分は確実に波に呑まれていたと思います。

しかし当地域では漁業被害が甚大で、他の業種も流通の停滞や風評被害などで資金繰りの悪化も徐々に増えてきています。

原発と震災の余震や二次災害、経済全体の冷え込みなど危機が去ったわけでもなく、日本全体が力強く歩むには、大変時間がかかると思います。

でも一歩一歩歩むしかないですね。

宮沢賢治は今回被災した岩手県の作家ですが
｢雨ニモマケズ｣という詩の意味を僕はあまり良く分からないでいました。
しかし今、この詩が語っている言葉がすんなり自分に入ってきます。

雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしは
なりたい

日本人の良さ、日本人の生き方ってこんな風だったんだって、震災後に気付かされました。日本人って自分たちを卑下するのに一生懸命だった。震災前は。
でも震災後の被災地の人たちやそれを支援する人、色々な人を見ていて、更に自分の気持ちを振り返るとちょっと日本人を見直しています。多分、こう感じているのは僕だけじゃないと思う。

一歩、一歩歩いて行くしかありません。また津波が来たら、呑まれないように避難して、風評などに惑わされず野菜を洗って食べる。各自、自分のやれることを一歩、一歩やっていく。１０年経って気付いたら、皆元気になっている。そんな風になれたら一番ですね。