売上アップアドバイザー シーサー君

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顧客の創造_4つの謎

   

年の始めに今年の事業計画を構想している方も多いのではないかと思います。
今更ですが、この時代の変り目に事業再構築がどの会社でも求められているのではないかと思います。その際に、そもそも当社の売上はどこから来ているのだろうか?既存の顧客がどこから来て、新しい顧客はどう形作られているのだろうか?
事業再構築とはまさに経営の根本的な部分に思いを馳せ、そこからの組み立て直しが必要ではないでしょうか。

ドラッカー曰く、企業目的は一つしかない、それは「顧客の創造」であると。その顧客獲得の要素は何であるか。
顧客獲得の要素を4つに分けてみました。まずは

1.新規顧客の獲得
企業は毎年、新規顧客の獲得が基本となります。何故なら、顧客は一度獲得したからといって永遠に顧客のままではいません。自分が顧客の立場で考えてみると分かると思いますが、例えば一度飲み屋さんに行ったからといって、常に同じ店に行く人はいない。お気に入りなら年に何回も行くけど、一度行って気に入らなかったら行かないし、或いは行かないうちにその店のことを忘れてしまうのは良くあること。
つまり、新規顧客は必ず減る運命にある。だから常に新規顧客の獲得をしなければ店はすぐつぶれてしまいます。これは本質的にはどの業種でも共通です。

2.リピート率
ただし、獲得した顧客が翌年も顧客であり続ける所謂リピート率は会社によって全く違う。業種でいうとBtoB業種は極めて高く、BtoC業種はとても低い。最近だとBtoC業種でもサブスク化(定額サービス)を指向する会社も多いですが、サブスク化によってリピート率は格段に上がるためとても有利になるためです。

3.外部環境の影響
それと、1の新規顧客は永遠に同じだけの顧客数が獲得できるわけではない。例えば釧路市の人口は毎年△3.5%減少しているのだからそれだけ毎年顧客数は減る。このように社会環境の変化、強烈な競争相手が出てきたり同業者が増えて過当競争に陥るとか、自社の業種そのものの需要が激減する。例えばガソリンスタンド、公衆浴場等々現在進行形で淘汰されている業種は枚挙にいとまがない。

4.優良顧客の増殖率
さらに、お得意様は口コミなどで次の顧客を連れて来てくれるというメカニズムが働く。つまり優良顧客は増殖するため顧客増殖率が決定的に新規顧客の獲得を左右する。

これらの4つの要素は業種や地域、或いは自社の持ち味や商品で全く異なります。
事業再構築に際して「顧客の創造」を一から考える際には、EXELで既存事業と新規事業でグラフ化しカーブを確認しては如何でしょうか。

例えば飲食店のようなBtoC業種のモデルを考えてみましょう。

新規獲得顧客数 10,000 毎年、新規に増やす顧客数
リピート率 20.0% 新規の顧客が翌年も顧客であり続ける割合
顧客獲得増減率 -10.0% 商圏人口の増減、競争関係の激変、業種の存在価値の激減等マクロ的影響による顧客獲得数の増減率
顧客増殖率 2.0% 既存顧客が口コミ等で新規顧客を増やす割合

 

【10年間の推移】

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目
1年目 10,000 2,000 400 80 16 3 1 0 0 0
2年目 9,040 1,808 362 72 14 3 1 0 0
3年目 8,180 1,636 327 65 13 3 1 0
4年目 7,404 1,481 296 59 12 2 0
5年目 6,701 1,340 268 54 11 2
6年目 6,066 1,213 243 49 10
7年目 5,490 1,098 220 44
8年目 4,969 994 199
9年目 4,498 900
10年目 4,071
合計 10,000 11,040 10,388 9,481 8,598 7,785 7,047 6,379 5,774 5,226

 

上述した4つの要素によってこのグラフのカーブは全く変わってきます。
自社の業種によってリピート率は変わってきますがBtoB業種は継続率が高いため新規顧客獲得がコンスタントにできれば有利に働きます。

自分なりにEXCELで表をグラフを作ってみて確かめていただければと思います。
現時点の日本は、人口減少=顧客数減少、多くの業種の淘汰等、マクロ的に顧客獲得の減少トレンドが多くの既存事業に降りかかっています。
ゆえに事業再構築が待ったなしになっている。
まずは数字で自社の立ち位置を確認することから始めてみては如何でしょうか。
いかに顧客を創造するか?4つの要素を謎から現実解に変える。4つの要素を変えることで自社の生き方が見えてくる。
顧客は自ら創り出す。それしかありません。

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