売上アップアドバイザー シーサー君

*

青春のリグレット

      2016/04/28

この頃の経済記事の中で日本の主力産業であった電気メーカーのリストラや赤字決算の記事が目立ちます。今や日本の電気メーカーはアップルや韓国勢の前にすっかり後塵を拝している。
NECが1万人削減って昔のパソコン全盛時代や携帯電話の人気モデルで突っ走っていた時を知る者としては時代の流れを感じます。
ビジネスモデルのサイクルがどんどん短くなり、新しい時代にどう生きるかを会社トップが選択できないとあっという間に凋落する。
大企業でさえこうなのです。
ましてや中小企業がこの激しい変化の中で生きる道を選択していくのは、口で言うのは簡単ですが本当に難しい。

僕が20代中盤から後半の頃、当時雨後の筍のように都市部を中心に発生したレンタルレコードのチェーンでアルバイトから始め店長、やがて役員としてチェーン全体のマーケティングの責任者を任せられることになりました。
まだ80年代前半のことです。札幌の地下鉄出口を中心に出店を重ね最大10店を道内で展開し、規模、質とも北海道では一番でした。ちょうどアナログからデジタルCDへと変化していった時期でJASRACから著作権を巡って訴訟を起こされながらも業界全体としても成長して行き、絶好調のビジネスモデルでした。僕も私生活は別にしても仕事では自信満々って感じでした。
でもある社会の変化に不安が少しずつ頭をよぎるようになりました。その変化とはビデオレンタルが出てきたこと、車社会への変化が加速し郊外型の駐車スペースが取れる店舗が好まれる方向へ加速してきた事です。
当時の資本力からそれらの変化へ転換できそうも無い事に気付いていたのです。財務はオーナーが握っていたので自分の力が及ばないし、そこまで進言するには勉強もしていなかったし能力もなかった。新しいビジネスモデルを提案できるだけの力が無かった。
そうこうしている内にオーナーは脳腫瘍を発病してしまった。僕は結局何もできないままその会社を辞めて札幌を離れてしまった。その1年後にオーナーは亡くなった。オーナーの死の半年後に会社は廃業した。
何だかんだと理由をつけて自分をこれまで正当化していたけど、結局僕は逃げたんだと最近気付いた。年取ると過去を振り返って見える事が多い。
あの時、新しいビジネスモデルを提案できず何もできずに逃げ出した自分にずっと心の底で後悔していたのです。

渦中にいる人間が新しいビジネスモデルを見つけるというのは口で言うほど簡単ではないのです。
永年成長のビジネスモデル漬けになっていた人たちが日本の中小企業にはまだまだ多い。
そんな人たちにもうこれまでのやり方では食えないから新しいビジネスモデルを考えなさいって言ったって本当に大変だと思う。
でも、それをやらないと本当に倒産してしまう時代です。
それを見つけるために、僕らプロの存在価値があると思っています。
口で言うほどユルくないのさ。

↓↓ 応援のクリックもよろしくお願いします

今日もマーケッター藤村正宏師のブログで勉強しよう!

The following two tabs change content below.
アバター画像
北海道釧路市の中小企業診断士&ITコーディネーター。エクスマ手法でお客さん企業の売上アップを日々指導。沖縄好きで三線唄者「シーサー君」としてピン芸人もやっています。「シーサー君ブログ」で手書き絵ブログを一日一絵一文を更新中!

 - シーサー君ブログ, マーケティング, 最新NEWS, 経営

  関連記事

ブログは無手勝流で

今週はSNSのワークショップがあったので、セミナー中の受講生とのやり取りがとても …

北海道の名づけ親って?

「北海道」って色々な県名がある中で異色というか、他県と違うと いうか、どうしてこ …

何の仕事をしているか分からないってよく言われます

最近、ブログで絵を書くようになって自分の顔を書く機会が増えました。機会が増えたと …

思いは言葉にしないと何一つ伝わらないのです

最近、ブログを書く人が凄い勢いで増えているのを実感する日々で、僕もセミナー、塾、 …

運気を良くしたい方へ

去年の暮れに、街に飲みに出た帰りにふと寒空の下、街頭の占いに手相を見てもらいまし …

財務もアップデート

中小企業の経営幹部対象に財務の講義をしました。細かな経理の知識ではなく、経営者視 …

続・・歴史は正義を変える

組合が牛耳るモチベーション最悪の組織を、カリスマ社長が来て建て直しを図っていた最 …

強さを身につけるしかない

昨日のブログを書いていて今更ながら地域経済の経営環境の酷さを思い知りました。失わ …

市場にアプローチしてますか?

今週は釧路から始まって帯広、根室、北見と経営相談の週でした。 昨日の釧路新聞のコ …

原始に還ろう

「乗山さん、絵が凄く上達したね。」って、毎日ブログを見てくれている方から言われま …

PAGE TOP