泳がざる者商いするべからず
仕事柄、地方の商店街のお店対象のセミナーや相談を受けることが多いです。
どの街も商店街はいわゆる疲弊していて、後継者の居ない店は自分の代で終わりという場合も多く、近隣の大型店に客を奪われて苦しいと言います。
これまで相談を受けた話も、判で押したように同じ構図です。
この状況で自分の店をやっていくのは無理だと言うのなら、それは商売やめた方が良いのです。
でも、その客を奪ったという大型店だって、実は皆苦しんでいる。
もう郊外の大型店なんて過去のビジネスモデルになっているのです。
何故なら、想定していた家族客が激減しておひとり様世帯が多数派になって、客数がどんどん落ちている。
イオンだって苦しいし、ヨーカドーなんてセブンイレブンの収益で何とか食っているのです。
そのコンビニだって飽和状態で閉店が相次ぐ。
だから、楽な商売している会社なんてないってことなのです。
一見、業績が良く見える社長さんだって、僕が知っている人は皆、つぶれないようにハンパない努力をしているし、常に動いていないとあっという間にダメになると言います。
今の日本人は都市でも田舎でも、欲しいモノがない低欲望社会。
だからモノは良いのは当たり前、買う理由はヒトつながりに完全に移行している。
良いモノを提供して、SNSで発信する、ヒトつながりで良いお客さんとじわじわつながっていく。
それを本気で現実にやるか、やらないかの違いしかない。
楽に売上が上がる便利な装置などないし、SNSに主戦場が移っているだけで、本質的にやることや努力は何一つ変わらない。
マグロは泳ぎを止めると死ぬそうです。
商売をやる人は、泳ぎ始める、そして泳ぎ続ける、それだけだと思います。
泳ぎもしないで、状況を嘆いていても何一つ変わらないどころか、どんどん悪化するだけ。
泳げば泳ぐほどやることが見えてくる。
泳がざる者、商いするべからず
ってところかな。
乗山徹
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