記憶を呼び起こす強力な糸
僕の古くからの友人が小樽で居酒屋レストランをやっています。
札幌までの出張が結構多いので、1年に1、2回は必ずお店にふらりと立ち寄っています。
あと、地元釧路でもイタリアンのお店があって、そこも1年に1回位は行っています。
どうして数あるお店の中でわざわざ足を運んでしまうのでしょうね?
おそらく、理由は一つしかない。
最初の方の店からは1年に2回(多分)、後の方の店からは1年に1回、おハガキが届くから。
そのハガキを見て、すぐは行けなくとも、今年中には行っておきたいな~と心に思うわけです。
もし、このハガキが無かったら、恐らくこんなに定期的に行っていない、恐らく他の飲食店と同様に記憶の底深く眠る中の一店になっているでしょう。
どんな人でも、数えきれないほど数多くのお店で飲食をしているのです。
その殆どの飲食店は、時間の経過と共に記憶の底に眠ったままで、放っておくと二度と思い出すことはない。
ハガキはその眠った記憶の底から、自店の記憶を取り出してお客さんとつなげてくれる強力な糸なのです。
ハガキが良いのは頭では分かっているけど、実際にはやっていないんだよね~。
いくらそんな言い訳をしても、相手に届かない限り、二度とお客さんはあなたの店を思い出すことはない。
記憶の糸をつなぐのにおハガキに勝るものはない。
極めて理にかなったマーケティング手法です。
乗山徹
最新記事 by 乗山徹 (全て見る)
- 顧客の創造_4つの謎 - 2021/1/2 土曜日
- コロナと共に去りぬ - 2020/6/29 月曜日
- パンドラの箱が開いた - 2020/6/28 日曜日
- 聴覚に多大に影響を与えたアルバムのカバー_10枚目 - 2020/5/12 火曜日
- 聴覚に多大に影響を与えたアルバムのカバー_9枚目 - 2020/5/11 月曜日
関連記事
-
原因は5年前に遡る
毎朝、朝ランで色々な路地を走っていて繁華街もコースの一つに入っています。 走って …
-
革命が起きるのでは
昨日お客さんとの会議の最後に社会や政治の話題になりました。 そこの社長も税理士の …
-
解決策は内にあり
先日、企業向けのワークショップセミナーで参加メンバーに会社の将来に向けての課題出 …
-
継続が価値を生む
昨年末から始めたマーケティングコラボセミナー、今日で4回目となります。 毎回、企 …
-
素通りは嫌よ
「広告を打っているけど、思ったより全然反応がないんです」というご相談がありました …
-
2つの会議で感じたこと
昨晩は異業種の商談交流会である守成クラブの会議でした。半年に1回幹事が集まり会の …
-
アイデアの核は平等である
以前勤めていた情報処理会社の営業マン時代に会社の浮沈を握るような大型商談がありま …
-
セミナーとは何か?
エクスマのウルトラエヴァ合宿も残すところ来月の1回となりました。 色々なものを戴 …
-
震災の被災者にお風呂を提供
標津町の㈱篠田興業にお邪魔したら、被災者対策として風呂釜と大きな風呂桶を製作して …
-
敢えてイベントをやるわけ
昨日はRICOHソリューションフェアで講演しました。 リコー関係の事務機の販売店 …