所詮、下世話な興味でしかない

2014/04/13 2016/04/04

ＳＴＡＰ細胞をめぐる騒ぎがメディアを賑わしています。渦中の小保方さんの心境は知る由もありませんが、報道の表舞台に出て良いだけ持ち上げられて、こんどは逆に罪人扱い、大変な思いをしているのは間違いないでしょう。今回の騒動はテレビのニュースからワイドショー、新聞、雑誌など旧来のマスメディア、Ｔｗｉｔｔｅｒ、フェイスブックなどのソーシャルメディア、さらにそれにリンクされたブログなど、あらゆるメディアで、いろんな人がああだ、こうだと取り上げている。ひどいのになると週刊現代なんか「愛は憎しみに変わった、小保方晴子が大反論！理研のドロドロ内幕をすべてバラす」、「大論争！オボちゃんは『かわいそう』なのか『したたか』なのか」、もう火曜サスペンスの世界（笑）になっている。

実は、ここまで大々的じゃないんだけど、自分の発言が元でソーシャルメディア上の口コミが一気に拡がって、ひどい目にあったことがあります。まだこの事件自体は解決していないんですが、数年前に旭川で中学生が行方不明になったので誰か見かけた人は連絡してください、っていう訪ね人の投稿がフェイスブック上でシェアされていた。その投稿に対し、「実はこの中学生はイジメに合っていて、行方不明という投稿もイジメで行方不明はガセネタだ」というコメントが寄せられた。今度はそのコメントに対して「投稿自体はガセネタではなく、行方不明は本当です」というコメントが寄せられた。それらのやり取りを見ていて、僕はブログの記事に取り上げて、「いったい、真実はどちらなんだろう？真偽の程によっては拡散すると事態がとんでもなく混乱するのでは？」って書いて、ＦＢにもリンクを貼った。そこからが、不幸の始まりでそのリンクがシェアされて、さらにＴｗｉｔｔｅｒでリツィートされまくったらしく一気に拡散された。ＦＢでは事態を混乱させたとか批判的なことを書かれるし、知らない旭川のおばさんから電話がかかってきて、「あなた、事態を面白おかしく書いて、当事者の身にもなってごらんなさい」とか怒られるし、僕としたら「真実がどっちからわからない内に拡散するのはやばいよ」って書いただけなのに、なんで俺が批判されなきゃならないんだって思いました。というより、このソーシャルメディアの情報の拡散力と顔の見えない人々の無言の圧力に、心底恐怖を感じて、ちょっと夜も寝られない日々が続きました。で、この気分の悪さを解決するには、真実を解明するしかないと思い、旭川東警察署に電話して聞いてみました。ちゃんと担当の警察官が教えてくれて、「行方不明は真実です」とのことでした。でも、もう一言があって「あなたみたいな人が、つまらない情報を流すから、家族にバンバン電話が入って、ただでさえ子供が居なくなって大変な思いをしているのに、追い打ちをかけているんだ」と怒られる始末。とほほ、俺かよって感じでしたが、真実が分かったので、警察から聞いた経緯も含めて改めてブログに事実を書きました。そこから一気に騒動が収まった感じです。

で、ほとぼりが冷めてから冷静にあの騒ぎは一体何だったんだろうって考えてみたんです。何で、皆あんなにシェアしたり、リツィートしたりしてネット上の口コミが拡がったんだろう？結局、イジメなのか本当の行方不明事件なのか、それを知りたかっただけ、つまり皆三面記事的な下世話な興味で見ていただけだった。それが僕の結論です。人間は二者択一でどっちが本当なんだろう？という話題に異常に興味を持つということなんでしょう。しかもどちらも同じ位の可能性であり得るという場合には更に興味が募る。結局は、結論なんかどっちでも良いのです。週刊現代の愛は憎しみに変わった（笑）とか、そんなレベルの下世話な興味を持ちながら、決着が着くまでニヤニヤしながら見ているだけなのです。ＩＰＳやＳＴＡＰ細胞など再生医療の未来から見れば、些末な事件に過ぎないのかもしれないけど、本当に小保方さんがＳＴＡＰ細胞を作れるとしたら、彼女にとっては不幸な事件だと思いますね。真実は彼女だけが知っている。これが下世話な興味を引くんだな・・・・。

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